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医師が不動産投資をするメリット・デメリットとは?失敗しないための注意点についても解説
医師の中で不動産投資を検討する方が増えています。
不動産投資はメリットが多いうえに、医師には退職金がないことから、将来に不安を抱えている方が多いためです。
しかし、悪徳な不動産会社が医師を狙って不動産投資を勧めてくるなどの特有のデメリットも存在するため、安易に始めるのはおすすめできません。
医師が不動産投資をするメリット・デメリットや不動産投資に失敗しないためのポイントを、しっかりと理解してから始めることが重要です。
不動産投資を検討している医師の方は、本記事を参考にしてください。
医師が不動産投資をするメリット
医師の方が不動産投資をするメリットは、以下の6つです。
①所得税・住民税の軽減ができる
②相続税対策になる
③MS法人を活用できる
④金融機関から優遇される
⑤管理に手間がかからない
⑥退職金や年金の代わりになる
上記のメリットについて詳しく解説していくので、内容を確認したうえで不動産投資がご自身に向いているかを検討してみてください。
①所得税・住民税の軽減ができる
医師に限った話ではありませんが、不動産投資を行うことで所得税や住民税を節税できる可能性があります。
節税効果が期待できる理由の一つに、不動産投資を行うことで、物件の設備や建物の経年劣化によって減少する価値を経費計上できる「減価償却」という仕組みがあります。
実際に出費を伴わない経費「減価償却費」を経費計上することで「不動産所得」が赤字になれば、給与所得などの所得から赤字になった不動産所得を差し引く「損益通算」を行うことができます。(出典:No.2250 損益通算|国税庁)
このため、高すぎる所得税や住民税に悩みを抱えている医師の方は、不動産投資で節税効果を期待することができます。
ちなみに、補足ですが、損益通算できる所得は下記の4つの所得に限定されています。
・事業所得:事業を行っている方がその事業から得る所得
・不動産所得:不動産投資によって得る所得
・譲渡所得:不動産や株式などを売却して得た利益
・山林所得:山林経営で得た所得
例えば、FXなどで出した損害は損益通算できないので覚えておくようにしましょう。
②相続税対策になる
不動産投資を行うことは、相続税対策にもなります。
その理由は、以下の3つです。
・現金よりも不動産のほうが相続税評価は減額される
・借地・借家割合で相続税評価額をさらに下げられる
・不動産賃貸用の土地の場合は「小規模宅地等の特例」を利用できる
上記の全てが重要ですが、その中でも「現金よりも不動産のほうが相続税評価は減額される」ことが最も重要です。
少し複雑なので具体例を挙げて比較してみましょう。
今回は、現金で1億円を相続した場合と、1億円の不動産を相続した場合の比較です。
現金を1億円相続した場合は相続税評価額が1億円、相続税の税率は40%になります。
一方で、公示価格が1億円の不動産を相続する場合は、以下の計算です。
・公示価格7,000万円の土地:7,000万円☓80%(路線価評価額)=5,600万円
・公示価格3,000万円の建物:3,000万円☓40%(固定資産税評価額)=1,200万円
・相続税の課税額:5,600万円+1,200万円=6,800万円
比較すると、3,200万円も課税額が下がることがわかります。
しかも、節税効果は課税額が下がるというだけではありません。
当然、税率も30%にまで下がるため、現金で相続するより不動産で相続したほうが、圧倒的に節税効果が高くなります。
③MS法人を活用できる
医師の方に不動産投資をおすすめする理由は、「MS法人」を活用できるためです。
MS法人が不動産を所有することにより、個人の所得と分散させることができ、個人で不動産投資をするよりも所得が少なくなるため、個人の所得や資産にかけられる課税割合を小さくできます。
また、個人の所得に対する最高税率が「55%」で、法人に対する最高税率は「33%」と低いです。
さらに、保険料の他にも役員報酬や退職金などの経費に計上できる範囲を増やせることも、MS法人を活用できる大きなメリットです。
④金融機関から優遇される
不動産投資を行うためには、1,000万円〜数億円といった多額の費用が必要になります。
このため、物件の購入費用をすべて自己資金で用意するのは容易ではなく、金融機関から不動産投資ローンを利用して融資を受ける方がほとんどです。
しかし、不動産投資ローンの審査は決して甘いものではありません。
不動産投資ローンの融資審査では、物件担保価値と個人の属性(職業・収入・年齢など)が審査され、「融資するかどうか」や「融資上限額」、「金利」が決められます。
その点、一般的な職種よりも収入が高く社会的な地位もある医師は、「属性が高い」と評価される可能性が高いです。
金融機関からすると、他の職業と比較して安心して融資できるため、融資審査に通りやすいだけでなく、低金利で、で融資を受けることができたり、融資限度額も高くなります。
ただし、医師だからといって、どんな状況下でも有利な条件で融資してもらえるわけではありません。
以下のようなケースは、医師でも融資審査が不承諾になる可能性があるので注意しましょう。
・投資をする予定の物件の担保評価が低い
・独立して開業したばかりで収入が安定していない方
・年齢が高く健康に不安がある方
上記に該当する方は、「担保評価の高い投資物件に変える」や「融資を依頼する金融機関を変更する」といった対策をとるようにしてください。
⑤管理に手間がかからない
不動産投資は、物件探しや現地調査、契約など、物件を購入するまでは手間がかかりますが、管理会社と契約することで、購入後は投資用物件の運用を任せることができます。
入居者募集・契約手続き・入居者のトラブル対応・家賃の集金など、本来であればオーナーがするべき業務もする必要はありません。
そのため、本業が激務になることが多い医師に、不動産投資は非常に向いています。
ただし、管理会社にすべての業務を任せきりにしてしまうのは危険です。
長期間、物件の管理状況や入居状況を確認せずに放置していると、適切な運営がされていなくても気付けません。
そういった事態にならないためにも、必ず定期的に入居状況などを確認することは重要です。
⑥退職金や年金の代わりになる
現役時代から不動産投資を行うことで、退職金や年金の代わりとして不動産投資の収入を利用できます。
医師は多いため、このことは大きなメリットです。
実際、大学病院などは退職金制度がある場合もありますが、医局を通じて複数の病院に勤務することになると、新たな病院に移動するたびに退職金相当期間がリセットされるケースも少なくありません。
また、医局を抜けて病院やクリニックなどで勤務をした場合でも、退職金制度がないのは珍しくなく、開業医の場合は当然、退職金制度などありません。
このため、退職金や本業以外の安定した収入源となる不動産投資を、将来に備えるためにも現役時代から始めておくことをおすすめします。
医師が不動産投資をするデメリット
医師が不動産投資をするデメリットには、以下の2つがあります。
・悪徳な不動産会社に狙われやすい
・多額の借入をしやすい
不動産投資には空室のリスクなどもありますが、ここでは医師特有のデメリットについて解説していくので、不動産投資を検討している医師の方は内容をよく把握しておくようにしてください。
悪徳な不動産会社に狙われやすい
医師は高収入であるため、不動産会社から不動産投資の勧誘を受ける機会も少なくありません。
しかし、不動産投資を勧めてくる会社の中には、医師をターゲットにした悪徳な会社があることも事実です。
実際に、インターネット上でも被害を受けた報告を見つけることができるため、不安を持っている方も多数います。
悪徳な業者に騙されないためにも、提案してくる内容が本当にご自身にとってメリットがあるのか判断できるように、不動産投資の基礎的な知識を身につけておくようにしましょう。
多額の借入をしやすい
医師は金融機関からの個人属性の評価が高く、他の職種と比較して多額の借入ができる可能性が高いです。
しかし、借入金額を増やして高額な物件を購入するということは、不動産投資の運用金額も増えてリターンが大きくなる一方で、リスクも大きくなることを意味します。
試しに6,000万円と1億2,000万円の運用パターンを比較してみましょう。
仮に両パターンとも同様の金利と期間(金利2%・借入期間35年)で借入れをした場合、毎月の支払額が約20万円と約40万円になり、支払額が倍になります。
したがって、空室が発生した場合の自己負担が増えてしまうので、注意が必要です。
このように、リターンだけでなく損失が出た際の金額も大きくなることは覚えておきましょう。
ちなみに、不動産会社の中には収入が高い医師を狙って、強引に高額な物件を提案してくるケースもあるので注意が必要です。
ご自身の資産状況に合った提案なら問題ないですが、無理をしないと購入できない物件を提案してくる場合は避けるようにしてください。
医師が不動産投資に失敗しないためのポイント
医師が不動産投資に失敗しないためのポイントは、以下の3つです。
・不動産投資のリスクを理解してリスクヘッジを行う
・信頼できる不動産会社を見つける
・長期間の投資計画を立てる
上記のポイントを押さえたうえで、不動産投資を始めるようにしてください。
不動産投資のリスクを理解してリスクヘッジを行う
不動産投資には、空室のリスクなど多数のリスクがあります。
具体的には、以下の4つのリスクです。
・空室リスク
・金利上昇のリスク
・地震のリスク
・修繕のリスク
例えば、空室のリスクとは、空室ができることで家賃収入の減少や無くなるリスクのことです。
仮に家賃収入がなくなる事態になってしまうと、資金繰り問題が出てしまい、せっかく購入した物件を手放す事態になりかねません。
上記のような事態を防ぐためにも、不動産投資のリスクについてよく理解したうえで、適切なリスクヘッジを行うようにしましょう。
信頼できる不動産会社を見つける
信頼できる不動産会社を見つけられると、不動産投資に失敗する可能性が低くなります。
自分では見つけられない優良な物件を紹介してくれるうえに、購入後の賃貸経営や資金繰りなどのさまざまなアドバイスをしてくれるためです。
一般の方が不動産投資をする際も重要ですが、医師は悪徳な不動産会社に狙われる可能性が高いため、特に重要になります。
では、どのように信頼できる不動産会社かどうかを見極めれば良いのでしょうか?
信頼できる不動産会社を見極めるためには、以下のポイントが重要です。
・リスクをきちんと説明してくれる
・質問に対して明確な答えを返してくれる
・迅速に対応してくれる
・実績が豊富である
上記のポイントを確認することで、不動産会社が信頼できる会社かどうかを判断するようにしてください。
長期間の投資計画を立てる
不動産投資に成功するためには、資金や出口戦略などの長期的な計画を立てておくことが重要です。
長期間の投資計画を立てることで、税金や経費がいくらかかるかなど、具体的なシミュレーションを立てて不動産投資が行えます。
しかし、素人が長期的なシミュレーションを立てることは容易ではありません。
信頼できる不動産会社を見つけて、一緒にシミュレーションを立てるようにしてください。
まとめ
他の職業の方にもおすすめできる不動産投資ですが、医師には金融機関から条件が良い融資を受けられるなどの特有のメリットがあるため、医師の資産運用には不動産投資がおすすめです。
しかし、医師の方ならではのデメリットもあるため、よく理解して対策をとることが重要になります。
そのため、本記事では、医師が不動産投資をするメリット・デメリットや師が不動産投資に失敗しないためのポイントについて解説してきました。
不動産投資を検討している医師の方は、本記事を参考にしてください。