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不動産投資の4つのリスクとは?対処法を徹底解説
不動産投資には安定した収入を得られ、他の投資と比較して手間と時間がかからないなどの多数のメリットがある一方で、リスクもあります。
実際、失敗するかもしれないという不安を抱えて、不動産投資を始めることにとまどっている方も多いです。
しかし、リスクをしっかりと把握したうえで、リスクを軽減する方法を知っていれば、そこまで不安を感じる必要はありません。
そのため、本記事では、不動産投資の4つのリスクと、不動産投資のリスクを軽減する7つの方法について解説していきます。
不動産投資の4つのリスク
不動産投資には、以下の4つのリスクがあります。
・空室リスク
・金利上昇のリスク
・地震のリスク
・修繕のリスク
上記のリスクについて詳しく解説していくので、内容をよく理解したうえで、対策を立てるようにしましょう。
空室リスク
不動産投資において最も懸念するべきリスクが「空室リスク」です。
空室になってしまうと家賃収入が得られなくなり、不動産投資ローンを組んでいる場合には、返済を手出しで行わなくてはいけません。
このため、空室リスクが高まるのを抑える必要があります。
では、どういった状況下で、空室リスクは高くなるのでしょうか?
空室リスクが高くなるのは、主に3つです。
・物件があるエリアの人口が減少している
・物件があるエリアの競合不動産が増加している
・適切な空室対策を行なっていない
上記を参考に、需給バランスを確認し購入する物件を選んだり、管理について調査するなど適切な対策を行うようにしてください。
金利上昇のリスク
不動産投資ローンを利用した際に、固定金利ではなく変動金利を選択した場合は、「金利上昇のリスク」が生じます。
現在は、低金利政策によって低金利が続いていますが、今後金利が上昇する可能性は否めません。
実際、2022年2月には、長期金利の上昇を受けて大手銀行が3月の固定金利を引き上げています。
しかし、日銀も長期金利上昇を抑制するために、2022年4月には国債の買い入れ額を増やすなどの対策をとっているので、すぐに大幅に上昇する可能性は少ないでしょう。
とはいえ、金利上昇のリスクがあることも視野には入れておいてください。
なお、変動金利には、金利が変動しても5年間は支払額が変わらない「5年ルール」と、万が一金利が上昇したとしても5年後に新しい返済額が前回の返済額の1.25倍を上限とする「1.25倍ルール」が設定されているケースがほとんどです。
これらのルールが設定されていれば、仮に金利が大幅に上昇しても、返済額が一定の金額以上にはならないため、収支計算が立てやすくなります。
地震のリスク
地震によって運用している投資用物件が損傷や倒壊してしまうリスクのことを「地震のリスク」と言います。
日本は地震大国であるため、台風などの自然災害のリスクの中でも、最も懸念するべきリスクです。
実際、日本は直近15年間でも、「2011年の東日本大震災・2016年の熊本地震・2018年の北海道地震」などの大規模地震が発生しています。
今後も「東南海地震・首都直下型地震」などの大規模地震が起きると予測されているため、不動産投資を行う際は必ず対策を講じておかなくてはいけません。
修繕のリスク
修繕のリスクとは、設備や建物が経年劣化などによって老朽化した際に、老朽化した設備や建物の修繕が必要になるリスクのことです。
他のリスクとは違い必ず訪れるため、リスクと呼ぶのは少し違うのかもしれません。
しかし、不動産投資において、懸念しておかなければならない重要事項であるのは確かです。
不動産投資を始める際のシミュレーションには、必ず修繕費が掛かることも見込んでおいてください。
不動産投資のリスクを軽減する7つの方法
不動産投資のリスクを軽減するためには、以下の7つの方法を理解しておくことが重要です。
①立地をよく見極めて不動産を購入する
②信頼できる不動産会社を見つける
③信頼できる管理会社に運用を任せる
④新耐震基準の物件を選ぶ
⑤地震・火災保険に加入する
⑥繰り上げ返済を検討する
⑦新しい設備の導入を検討する
上記の方法について詳しく解説していくので、内容をよく理解したうえで適切な対処をするようにしましょう。
①立地をよく見極めて不動産を購入する
不動産投資において購入する物件の立地は、非常に重要です。
立地は賃貸需要や不動産価値に大きな影響を与えるため、誤った立地の物件を購入してしまうと、失敗する可能性が高くなります。
したがって、空室のリスクを軽減して安定した賃貸経営をしたいのであれば、賃貸需要が高い立地の物件を購入するようにしてください。
②信頼できる不動産会社を見つける
条件の良い物件を購入するためには、信頼できる不動産会社を見つけて依頼をすることが重要です。
自分で物件を選んで不動産投資を始めることはなかなか簡単なことではありません。信頼できる不動産会社に任せることで、自分では見つけることができない優良な物件を紹介してくれる可能性があります。
また、物件を経営するリスクやデメリットについても、しっかりと言及してくれるため、対策を講じることも可能です。
なお、信頼できる不動産会社かどうかを見極めるためには、以下のポイントに気を付けるようにしてください。
・リスクをきちんと説明してくれる
・質問に対して明確な答えを返してくれる
・実績が豊富である
上記のポイントを押さえたうえで、会社を検討するようにしましょう。
③信頼できる管理会社に運用を任せる
不動産投資は管理会社に物件の運営を任せることができますが、信頼できる管理会社でないと、賃貸経営が失敗する可能性が高くなります。
例えば、管理会社が入居募集に力を入れないことで、入居者が集まらずに長期間空室になるケースは珍しくありません。
また、入居者のトラブルに対して管理会社が適切な対処をしてくれず、入居者が不満を持ってしまい、退去者が出る可能性もあります。
こういった事態を防ぐためにも、信頼できる管理会社を見つけて、賃貸物件を管理してもらうことが重要です。
④新耐震基準の物件を選ぶ
新耐震基準とは、1981年6月1日の建築基準法の改正で定められた地震に対する建物の耐震性能の基準を示したものです。
それ以前の耐震基準は旧耐震基準と呼ばれており、新耐震基準と比較して耐震性能は格段に劣ります。
具体的には、以下の違いがあります。
・旧耐震基準:中規模の地震では建物がほとんど損傷しないこと
・新耐震基準:数百年に1度の大規模な地震でも建物が倒壊や崩壊しないこと
上記のように、旧耐震基準の建物は新耐震基準の建物と比較して耐震性能が高いだけでなく、築年数も経過しているため、地震によって建物の損傷や倒壊が起こるリスクが高いです。
また、入居者の方も耐震基準については知っている方も多いため、空室のリスクも高くなってしまいます。
このため、投資用物件を選ぶ際は、新耐震基準の物件を選ぶようにしましょう。
⑤地震・火災保険に加入する
地震などの災害リスクに備えるためには、地震保険や火災保険に加入することをおすすめします。
火災保険とは、購入した不動産が台風による浸水などで被害を受けた際に、被害額を補償してくれる保険で、火災だけでなくさまざまな災害のリスクに備えることが可能です。
ただし、地震には適用されないことは覚えておきましょう。
地震による被害の補償を付けたい場合は、地震保険への加入が必要です。
なお、地震保険は火災保険と一緒に加入する必要があり、地震保険単体では加入できません。
また、不動産を購入する際に不動産投資ローンを利用して金融機関から融資を受けている場合は、火災保険の加入が融資条件に設定されているため、必ず加入しなければならないことも理解しておいてください。
⑥繰り上げ返済を検討する
金利上昇のリスクを軽減するためには、繰り上げ返済を活用することをおすすめします。
不動産投資ローンの残高が多かったり返済期間が長いままでいると、金利上昇の影響が大きくなり、返済総額が増えてしまいます。
ただし、資金に余裕がない状態で、無理して繰り上げ返済するのは、おすすめできません。
不動産の修繕や病気などで、急遽資金が必要になる可能性もあるため、ある程度の資金を確保しておくようにしましょう。
⑦新しい設備の導入を検討する
設備が老朽化している場合は、新しい設備を導入することをおすすめします。
新しい設備を導入することで、入居募集をした際に入居者が集まる可能性が高くなるうえに、家賃の上昇も期待できるためです。
例えば、防犯カメラやオートロックなどの設備を導入すると、入居者の安全の向上につながり、他の投資用物件との差別化につながります。
また、老朽化した設備をそのまま放置していると、故障して使用できなくなるなど、入居者に不便を感じて退去する事態になりかねません。
こういった事態を防ぐためには、老朽化した設備を最新の設備に入れ替えたり、導入していない新しい設備を導入することが重要です。
まとめ
不動産投資には空室リスクなど多数のリスクがあるため、リスクに対する対処法を理解しておくことが重要です。
あらかじめリスクに対する適切な対策を実施しておくことで、不動産投資に失敗するリスクを軽減できます。
そのため、本記事では、不動産投資の4つのリスクと、不動産投資のリスクを軽減する7つの方法について解説していきました。
不動産投資を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。